こんにちは!Kdan のライター 佐藤です!このブログは台湾からお届けしています!
日本ではコロナウイルスの影響で、「在宅勤務」「DX」という言葉が急速に浸透していると聞きます。
また、日本ではDX化に伴い脱ハンコが進み電子サインも一般化し始めたという話を聞きます。
では台湾はどうでしょうか?台湾はコロナウイルスを抑え込んだ優等生として扱われていますが、その反面在宅勤務やDX化が遅れている印象を受けます。
電子サインも同様に日本ほど一般に浸透していません。
そこでこのブログでは2021年1月現在の台湾の電子サインの事情や課題についてまずはお話をしたいと思います。
また、このブログではそんな台湾の電子サイン市場に挑む Kdan の挑戦に触れたいと思います。
台湾市場へ進出を考えている電子サインのサービスベンダーや DX 化ツールを生業としている方は必見です!
目次
台湾電子署名法と電子サインが普及が進まない背景
まずは台湾の電子サインに関連した法律についてお話をしたいと思います。
詳しい内容は【2021年版】台湾の電子署名の現状と今後の展望で書いていますので、ここでは内容を割愛してお届けします。
台湾では、2001年に電子署名法が成立しました。今から約10年も前の事です。
電子署名法第9条第1項の規定により、署名または印鑑の使用が法律で定められている場合において、双方の合意があれば電子署名での取引が可能となりました。
つまり、台湾では契約を交わす企業間が電子サインに合意をすれば、電子サインでも法的な効力を持ちます。
仮に電子サインの法的な有効性を証明したい場合は、台湾の認証局に証明書を申請します。
ただし、そこまでの手間をかけずとも電子サインは十分法的な効力があるのでわざわざ証明書を申請する企業は少ないと思います。
一見とても便利な電子サインの法案に見えますが、台湾では普及が進んでいません。それはなぜでしょうか?
その理由は台湾の行政機関が電子サインに対してあまり協力的でないためです。
台湾では、内務省、司法省、財務省、保健福祉省、運輸省、労働省、国家発展委員会、金融監督委員会など17の省庁と8つの地方政府が、電子署名を適用外としています。
日本では「脱ハンコ」という言葉は以前からあったと思いますが、人々が脱ハンコを本格的に意識し始めたのはコロナウイルスと行政機関による支持が背景にあったと思います。
台湾は2025年のデジタル国家プラン『數位國家‧創新經濟發展方案』(通称:DIGI+)に向けてDX化に舵を切ろうとしていますが、実際には行政機関があまり協力的でないのが現実です。
台湾電子サイン市場の可能性と機会
前章でもお話ししたように、台湾では2001年に電子署名法が成立してからもう20年ほど経ちます。
20年という長い期間があったにも関わらず、台湾では電子サインが普及しませんでした。
しかし機は熟しました。コロナウイルスによって世界でDX化が進み、台湾もその波に乗ろうとしています。
株式会社矢野経済研究所の調べによると、日本の電子契約の市場規模は今後200億円を超えると予想をしています。
台湾の市場規模に関する数字は残念ながら見つかりませんでしたが、そもそもまだ普及していないので、成長の余地しかありません。
そんな台湾の電子サインの市場でイニシアチブを取ろうとしているのがKdan社です。
Kdan社の CEO ケニー・スー氏は、アジアでは印鑑の文化がDXの妨げになっていると思い、アジアで電子サインを広げるために、DottedSign を開発しました。
2019年中旬にリリースされてからまだ間もないサービスですが、台湾ではすでに500社以上に導入されています。
理由は使いやすとプライシングにあると思っています。詳しくお話をしていきたいと思います。
DottedSign の利点
まずは DottedSign の使いやすさについて説明をしたいと思います。DottedSign は電子署名の登録から実際に署名をするまでの手続きが非常に簡単です。
例えば Adobe の Acrobat DC を使って電子署名を行おうとすると、色々な設定が必要です。
「編集」→「環境設定」→「署名」→「IDと信頼済み証明書」→「詳細」から、「書き出し」→「データをファイルに保存」してやっと署名した電子文書を遅れる環境が整います。
それに対してDottedSignは、まずアカウントで自分の印鑑や署名を登録したら、書類に右クリックでサインや印鑑をつけるだけで終了です。
また、印鑑や署名の登録は非常に簡単で、紙に捺印後、携帯電話で写真をとってアップするだけです。
写真を撮るのが面倒な人も、サイト内で自分で署名を作成することが可能です。
次に DottedSign が優れているのがインターフェイス(中身のデザイン)です。以下の写真を見て頂くとわかりますが、画面トップには『ドキュメント』『検索』『設定』しかありません。
署名が必要な電子書類は全て DottedSign 内の『ドキュメント』という場所に送られるので、IT が苦手な経理の人でも「『ドキュメント』さえクリックすればいい」と覚えておけば問題ありません。
上記の写真では『ドキュメント』内が空ですが、通常は署名が必要な書類は全て『ドキュメント』内に表示されます。
また、以下は DottedSign 内の『ドキュメント』にあった、署名が必要だった契約書の書類の写真です (印鑑は加工してあります)。
私は捺印するべき場所に右クリックで登録した印鑑を貼り付けるだけで済みました。
もし万が一誰かが勝手に上長の印鑑を捺印しても、誰がいつ何時に署名をしたかが全て追えるようになっています。
もちろんこれらのやり取りは暗号化通信を通して行われるため、外部に情報が漏れるようなこともありません。
台湾の法律では契約を行う会社間が電子署名に合意をすれば、電子署名は法的な効力を持ちますが、中にはそれだけで本当に大丈夫かと不安に思う方がいると思います。
そんな方のために台湾には認証局といって、第三者が電子署名を認証する機関があります。
Kdan Mobileの「DottedSign」はAATLの認証局である中華電信「A+Sign」と連携し、「DottedSign」電子サインサービスを通じてサインされたすべての文書が、中華電信「A+Sign」の審査証明を受けることが可能です。
つまり台湾でいざ認証局が必要になってもKdan社に連絡をすればシームレスに行うことができます。
いかがでしたでしょうか?台湾はコロナウイルスを抑え込んだこともあり、日本のように急速に電子サインが普及しているわけではありません。
しかし、電子サインの波は確実にくると思っています。皆さんも台湾で電子サインが必要になったらまずは Kdan社の DottedSign を試してみてはいかがでしょうか?