アジアで電子署名を使うには?注意点と実務のポイントをプロが解説

こんにちは!Kdanライターの津山です。2020年のコロナを機に世界の電子署名の利用は急速に加速しています。もちろんアジアの市場も例外ではありません。

コロナ以降、日本では電子署名の市場が急速に成長し、2024年までには2020年の2.5倍の270億円市場になる見込みです。またシンガポールでも政府主導で積極的に電子署名が導入されています。

しかし電子署名と言っても実は国ごとに基準やルールが異なります。きちんとルールの違いを理解していないと、実は法的に無効だった!などのトラブルに遭遇するかもしれません。

そこで今回はアジアの電子署名の現状と、日本企業が多く進出するタイ、インドネシア、シンガポールのルール、アジア向けに電子署名を利用する際の注意点を、電子署名のプロであるKdanがお伝えします!

今後アジア向けの取引で電子署名を利用したいとお考えの方は必見です!

アジアの電子署名の対応状況

アジアの電子署名の対応状況

最初に、アジアの電子署名の法律の整備状況を説明します。今回は日本企業の進出が多い国を中心に整理しました。

以下の電子署名に関する法律の施行年を見ると、アジアでも多くの国が2000年前後に電子署名を認め始めたことがわかります。

電子署名に関わる主な法律施行年
シンガポール電子取引法1998年
タイ電子取引法2001年
インドネシア電子情報と取引に関する法律2008年
フィリピン電子商取引法2000年
マレーシアデジタル署名法1997年
台湾電子署名法2001年
韓国電子署名法1999年
香港電子商取引条例2000年

海外取引で電子署名を使うメリット

電子署名を使うメリット

次に、海外取引で電子署名を使うメリットを3つ紹介します:

  • 郵送する必要がなくなり、コストと時間の削減につながる。
  • 契約のクロージングや会計処理がスムーズに行える。
  • 各国の書類や契約データをオンライン上で一元管理できる。

筆者も以前の会社では、国際郵便を使い海外と紙の契約書をやりとりしてました。ですが紙の契約書は先方の都合で何日も待たされるため、会計処理の遅延トラブルが起こりました。

しかし、もしオンラインで契約書に電子署名をすれば、サインしたその日に送付が可能になり、会計処理の遅延や稟議の書き直しが必要なくなります。

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アジア各国の電子署名の要件

それでは本題である、アジアの電子署名についてお話をします。今回はシンガポール、タイ、インドネシアの電子署名のルールを紹介します。これらの国は多くの日本企業が進出しているので、事前にチェックしておくことでスムーズに対応できます。

シンガポールの電子署名

シンガポールの電子署名

シンガポールでは2020年のコロナ禍以降、電子署名の利用が急増しました。Adobeの調査では、回答者の53%が2020年に初めて電子署名を利用したと回答しています。

シンガポールの電子署名は3種類あります。一般の電子署名、安全な電子署名、そしてデジタル署名です。

電子取引法によると、「安全な電子署名」以上であれば法律面でも高い有効性があります。安全な電子署名の要件は、署名者の特定ができること、署名後に変更があれば電子署名を無効にできること、などがあります。

さらにデジタル署名では、日本と同様に、特定の仕組みによる暗号化や、政府公認の認証機関から電子署名が正式なものである証明書の発行を受ける必要があります。

シンガポールでは、秘密保持契約やライセンス契約、取締役会議事録、手形など、さまざまな場面で電子署名が利用できます。しかし以下のような取引では、電子署名の利用が認められないので注意が必要です。

  • 遺言の作成・執行
  • 捺印証書、信託宣言、委任状
  • 不動産の売却や処分に関する契約
  • 不動産または不動産の権利の移転

タイの電子署名

タイの電子署名

タイの電子署名には、一般的な電子署名と信頼できる電子署名の2種類があります。取引では「信頼できる電子署名」を使っていれば法律上の有効性が認められるとされています。

信頼できる電子署名の要件として、電子取引法第26条1項で署名データの本人特定ができること、変更履歴が追えること、などが定められています。

タイでは、信頼できる電子署名を、労働契約などの人事文書、秘密保持契約、ライセンス契約、売買契約などの取引文書で使うことができます。

ただし、以下のような取引では電子署名を利用できないため、注意が必要です。

  • 不動産売買契約
  • 3年を超える不動産賃貸借契約
  • 抵当権設定契約
  • 家族や相続に関する内容の取引

インドネシアの電子署名

インドネシアの電子署名

インドネシアの電子署名は、コロナが蔓延した2020年に需要が急増しました。首都ジャカルタを拠点とする電子署名会社では成長率が350%に達したそうです。

インドネシアの電子署名には、一般の電子署名と、認証済み電子署名の2種類があります。違いは「認証済み電子署名」の方が法的な証拠能力が高いという点です。

GR 71/2019という法律によると、認証済み電子署名の要件には、インドネシアの認証機関から証明書を取得する、政府公認の電子署名ツールを利用する、変更履歴の追跡機能がある、などがあります。

インドネシアでは主にNDAや販売契約、小売店の新規口座開設文書、リース契約などで電子契約が利用されています。

ただし以下のような取引は、認証済み電子署名でも使えませんので、十分気をつけてください。

  • 雇用関係文書
  • 定款や公正証書に記載する株主決議、株式・資産の譲渡契約書
  • 知的財産権の移転契約書
  • 不動産譲渡契約書
  • 公証、認証、捺印が法的に要求されている文書や契約書

アジア向け電子署名の注意点と実務のポイント

では最後に、アジア向けの電子署名の注意点と、実際に契約書等で使用する際のポイント3点を電子署名のプロであるKdanの目線からお伝えします。

アジア向け電子署名の注意点

アジア向け電子署名の注意点

アジア向け電子署名の注意点は法律の有効性です。

シンガポールなど一部の国は、コロナ禍もあり政府主導で一気に電子署名が普及しました。しかし今でもアジアの国の中には、電子署名の有効性が曖昧な国があります。

例えばインドネシアでは、電子署名の有効性を巡る裁判例が少なく、もしトラブルになれば裁判所が有効性を認めてくれない可能性もあります。

またタイでも、法律はあるものの未だに電子署名の合法性に懐疑的な見方が残っており、一般的に広く普及しているとはいえません。実際にアジア向けの取引で電子署名を活用したい場合は、現地の専門家にまず相談することをお勧めします。

アジア以外の海外電子署名の注意点が気になる方は、こちらの記事もお勧めです!

アジアで電子署名を使う時の実務のポイント

アジアで電子署名を使う時の実務のポイント

アジア向けの取引で電子署名を使う場合に気をつけたい3つのポイントをお伝えします。

  • 重要度によりあらかじめ取引内容を分類しておく
  • リスクに応じて書面と電子を使い分ける
  • アジアでも実績のある電子署名サービスを選ぶ

取引前に、契約金額、機密情報の有無、取引相手の信頼性などをチェックし、重要度で取引内容を分類しておきます。

そして国ごとのリスクに応じて、契約額が一定金額以上の取引は書面で、定型の取引は電子署名で、など使い分けるのがおすすめです。シンガポールや日本のように、電子署名の有効性が高い国なら重要な取引にも電子署名を使うことは可能です。

最後は実績のある電子署名サービスを選ぶことです。問い合わせの際には、実際にその電子署名サービスが使用先の国での実績があるかどうかを、必ず確認しましょう。

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いかがでしたか?アジア向けの電子署名はまだ発展途上な部分もありますが、コロナを機に導入ニーズは確実に増えています。そこでアジア向けに電子署名を使う場合にお勧めなのが、台湾に本社を構えるKdanのDottedSignです。

DottedSignは台湾、日本、シンガポールはもちろん、世界中のほとんどの先進国で法的な効力をもつ電子署名サービスを提供しています。

また日本の企業の進出先でもある東南アジアの一部は、華僑のネットワークが強く、中国語が好まれる場合もあります。そんな時に、日本語/中国語/英語で対応できるDottedSignを使えば、顧客も電子署名を受け入れやすくなるはずです。

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執筆者

一橋大学経済学部卒業。大学在学中は労働統計学を専攻、統計データを活用した労働市場の最適化を研究。日本の某大手メーカーで11年勤務、うち2年は台湾駐在。現在は台湾にあるデジタルマーケティングの会社に勤務。

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