【初めて海外外注する企業必見】税金処理と契約書のポイント

こんにちは、Kdanライターの津山です。

この記事が目に留まった皆様は、社内の人材不足や専門人材を補うため、海外に仕事の外注を考えておられる方だと思います。今回はそんな皆様に向けて、海外の外注人材活用のポイントを紹介します。

おそらく皆様の中には、コロナ禍による経営環境の悪化で、強化したい分野の専門人材を雇う余裕がない、といったお悩みがあるのではないでしょうか?そんな時、外注の活用は、ビジネスを円滑に進める強い味方になります。

しかし、仕事の依頼先が海外となると、日本国内のように、外注相手や人材紹介会社にただ任せるだけではうまくいきません。

海外に依頼するとなると、国内とは税金の処理や慣習も異なります。企業側が事前にしっかり準備しておかないと、納税漏れで指摘を受けたり、未完成のまま仕事を放り出されたりする怖いリスクがあるのです。

そこで、この記事では、海外外注向きの仕事と支払い時の税金処理、また企業が事前に注意したいポイントを、まとめてお伝えします!

海外への外注が向いている仕事とは?

海外への外注が向いている仕事とは?

まず、これから海外への仕事外注を考える企業の方に向けて、海外に外注することが向いている仕事を紹介します:

  • 海外向けのマーケティング(広告、SEOサービス、市場調査)
  • 海外向けのデザイン
  • 海外向けのコンテンツ
  • ソフトウェアなどのITシステム開発
  • 翻訳 等

これらの仕事は、成果物が無形のためオンラインでやり取りできるうえ、日本よりコストが抑えられる可能性が高いものです。また、海外の知見を持つことが強みにつながるため、海外外注を活用しやすい分野です。

例えば、もしお隣の台湾向けのマーケティングの外注を考えるなら、日本より、台湾のマーケターに外注するといったケースもその一つです。

日本人の場合、台湾と中国を同じ中国語圏として混同しがちですが、台湾の現地マーケターであれば、中国と台湾の違いを考慮したマーケティングが行えます。また台湾の平均給与は日本の6割程度のため、日本よりコストを抑えられる可能性もあります。

海外に外注する場合に注意すべき送金時の税金対応

海外に外注する場合に注意すべき送金時の税金対応

海外に外注を考える際、皆様に気をつけていただきたいのが、送金時の税金です。なぜなら税金の処理を誤ると、国税局から追徴課税等の罰則を受けるリスクがあるからです。

ここでは、特に混乱しやすい所得税や消費税を中心に、送金時の注意点をご紹介します。

所得税に関しての注意点

所得税に関しての注意点

所得税は、海外の個人に仕事を外注する場合、特に注意が必要です。

外注先が個人の場合、企業側に源泉徴収義務が生じることがあります。ただし、それは業務が国内源泉所得に該当するかどうかで処理が変わります。

所得税で注意すべきポイントは以下4点です:

  • 対価の支払い内容が、国内源泉所得に該当するかどうか
  • 支払い相手は、日本の非居住者かどうか
  • 支払いを日本国内の会社が行うか、海外の子会社が行うか
  • 支払い先の国に、日本との租税条約は存在するか(財務省:締結国一覧

例えば、第一章で紹介したような業務は、ほとんどの場合、国内源泉所得に該当します。最新の税率は、国税庁のウェブサイトを参考にしてください。

しかし、毎回必ずこの処理でいい、という正解がないのが所得税です。支払い手続きを、国内で行うか、海外で行うかによっても処理が変わることがあります。また、国と国との間で個別ルールを定めた租税条約があれば、税率が下がる場合もあります。

そのため、取引ごとの正しい税金処理については、まず専門家にご相談することをお勧めします。

消費税についての注意点

消費税についての注意点

消費税について企業が注意すべきポイントは、以下の2点です:

消費税は、主に日本国内で発生した取引において、事業者が受け取った消費税と支払った消費税を計算し、その差額を納付(または国が還付)する制度です。

つまり海外で発生した取引(国外取引)については、原則、消費税はかかりません。

しかし現在、電子通信利用役務、つまり日本国内における電子書籍や広告の配信、メールを通じたコンサルティングなど、海外からインターネット等を介して行われる役務提供の一部には、消費税が課されるルールとなっています。

その際、海外の企業やフリーランサーが日本で消費税を納税することは現実的ではないため、依頼側の国内企業に納税義務が生じるケースがあるのです。(国税庁ウェブサイト

海外外注で思いがけない納税漏れを起こさないためにも、所得税・消費税の処理は、事前に専門家に相談していただければと思います。

海外に仕事を外注する際に注意したい3つのポイント

海外に仕事を外注する際に注意したいポイント

 

企業が海外に仕事を外注する際、税金以外にもご注意いただきたいポイントがあります。それは以下の3点です:

  • 外貨が送金できる口座やサービスの申し込み
  • 為替レート差や送金手数料などのコスト負担への対応
  • 海外の外注先との業務委託契約書の締結

外貨送金手続きやコスト負担への対応

海外に外注する際の委託費は、通常、相手先の国の通貨で支払います。企業は、まず対象国の外貨を送金できる口座やサービスを申し込む必要があります。

また為替レートの変動リスクや、海外送金手数料は、多くの場合、企業側の負担になります。

筆者の台湾の会社は、たまに日本から業務委託を受けています。しかしあるクライアントからは、毎回1万円の海外送金手数料がもったないと思ったのか、4ヶ月も外注費用の支払いを先延ばしされるといった事態が起こりました。

外貨の海外送金手数料は、1回1万円以上かかる場合もあります。それらのコスト負担も考慮した上で、海外に外注するべきかどうか、判断することをお勧めします。

海外外注先との契約書の締結

そして、最も重要な点は、外注先と業務委託契約書を締結することです。なぜなら、海外に仕事を委託する場合、暗黙の了解や、相手方の良心に頼る、といった行為はトラブルに繋がりかなねないからです。

実際、筆者の知り合いも、海外企業に動画編集を外注したところ、契約後に当初見積もりの1.5倍の価格が提示されたというトラブルに遭遇しました。日本人と違い、後からでもお金は取れるだけ取ろうと考える人は、海外には普通にいます。

上記のようなトラブルを回避するためにも、費用、業務内容、責任範囲など、重要なポイントは全て契約書で定義しましょう。そして契約書を締結してから、外注先に業務を依頼することをお勧めします。

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海外に外注する際には契約書が欠かせないことをお伝えしました。

しかし紙の契約書は、都度、国際郵便でやりとりする必要があり非常に面倒な上、相手が対応してくれるかどうかもわかりません。

そこで、海外外注を考える企業の方にご活用いただきたいのが、オンラインで法的拘束力のある契約書が締結できる電子契約サービス、DottedSign(ドットサイン)です。

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契約の電子化であれば、わざわざ有料サービスを使わずとも、PDFに変換してデータ化した印鑑やサインを貼り付けたらいいのでは?と思われるかもしれません。

しかし、それだけでは不十分です。アメリカであればESIGN法、日本であれば電子署名法電子帳簿保存法といった法律を遵守しないと、電子契約の法的拘束力が弱くなり、トラブルが起きても、企業の主張が認められないリスクが生じます。

外注先として活用しやすいアジアの電子契約に関する法律に関しては、以下の記事を参考にしてください。

そこで活用したいのが、DottedSignです。海外170ヶ国以上にビジネスアプリを展開するKdanが開発した電子契約サービスであり、海外での使用実績も豊富です。また日本や主要な外注先の国の法律に準拠しているため、法律面でも、安心してご利用いただけます。

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執筆者

一橋大学経済学部卒業。大学在学中は労働統計学を専攻、統計データを活用した労働市場の最適化を研究。日本の某大手メーカーで11年勤務、うち2年は台湾駐在。現在は台湾にあるデジタルマーケティングの会社に勤務。

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