皆さんは、準委任契約という契約方法をご存知でしょうか。働き方改革や新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、個人によって働き方が異なるなど、多くの企業でさまざまな働き方や契約方法が採用され始めています。正社員だけでなく、業務委託や委任契約、派遣契約など、さまざまな契約形態がある中で、今回の記事で記載するのは、準委任契約について。準委任契約という言葉は耳にしたことがあるけれど、実際にどんな契約内容なのか、他の契約との違いまではっきりと知っている方は少ないのではないでしょうか。
そこで、準委任契約とはどんなものなのか、他の契約との違いや準委任契約での雇用のメリット・デメリットについてご紹介していきます。
目次
準委任契約とは?
準委任契約とは、「特定の業務を遂行することを定めた契約のこと」を指します。つまり、目的は特定の業務の遂行。注文人が「法律行為」以外の業務を受任者に依頼し、受任者は約束の期間のみ仕事の手伝いや業務の遂行をします。仕事の完成や業務の内容・成果物には義務を負う必要がなく、修正や保証は求められません。準委任契約は、民法第656条や第643条によって「法律行為以外の事務の処理を受任者に委任すること」と規定されています。最近では、フリーランスのエンジニアなどに多い雇用形態です。
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準委任契約の種類
準委任契約(民法656条)といっても、大きく2種類があります。
- 履行割合型
- 委託した行為の遂行にかかった工数や作業時間を基準として報酬が支払われる準委任契約の形です。
- 成果完成型
- 委託した行為によって発注者が得られる成果に対して報酬が支払われる準委任契約の形です。ただし、必ずしも受託した仕事を最後まで完成させる義務はなく、
受注者がその行為の遂行にどれだけの工数や作業時間をかけていたかは考慮されず、発注者が得られた成果に対して報酬が支払われます。
- 委託した行為によって発注者が得られる成果に対して報酬が支払われる準委任契約の形です。ただし、必ずしも受託した仕事を最後まで完成させる義務はなく、
履行割合型が使われる場合
準委任契約と請負契約とへ件契約の違いを解説
では、準委任契約は他の契約とどのような違いがあるのでしょうか?以下で詳しく解説していきます。
委任契約との違い
まずは委任契約との違いを見てみましょう。準委任契約が法律行為以外の事務の処理を受任者に委任することなのに対し、委任契約は民法第643条に規定されており、「法律行為に関する事務を相手に依頼する契約」となります。つまり、業務に法律行為がある場合は委任契約、法律行為がない場合は準委任契約となるのです。弁護士に訴訟代理を依頼する場合などが、委任契約となります。
請負契約との違い
続いては、請負契約です。請負契約とは、民法632条で「当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約する契約」と規定されています。仕事に有形、無形は問いません。つまり、企業などが業務を委託し、請負人は依頼された仕事を完成・納品まで行う必要があります。請負契約の場合は、依頼された仕事を完成させるところまでが目的であり、期間内に完成・納品を行う必要があるため、その部分が準委任契約と異なります。遂行そのものが目的である準委任契約と、完成までが目的である請負契約と認識しておけば問題はないでしょう。
派遣契約との違い
そして最後は、派遣契約との違いです。労働者派遣法 第2条第1号で定められており、法律上では「労働者派遣」と呼ばれています。派遣契約では、派遣会社が雇用する労働者を、他社の指揮命令下で労働させる契約のこと。つまり、派遣会社は依頼会社に派遣する義務を負っており、その対価を受ける義務があります。もちろん、依頼会社(派遣先)は、派遣を受ける権利とその対価を支払う義務を負います。冒頭に記載した通り、派遣契約の締結の場合は、業務の内容や就業時間など、法律上で定めなければいけない事項があるため、準委任契約と異なります。
準委託契約で雇用するメリット・デメリットとは?
では、企業にとって準委任契約で雇用するメリット・デメリットとは何なのでしょうか。以下でメリット・デメリットについて詳しくみていきましょう。
メリット
準委任契約で雇用するメリットを、契約期間・業務内容・契約解除の3つに分けてご紹介します。
1. 契約期間の制限がない
まず1つ目のメリットは、契約期間の制限がないことです。例えば派遣契約には、最低雇用期間が設けられていますが、準委任契約には期間の制限はありません。あくまでも依頼した仕事内容の遂行が目的のため、その目的が達成されれば契約は終了させることができます。数ヶ月、数年など長期間の期間保証が必要ないため、場合によっては短期間で完了するのです。また、契約期間の制限がない分、業務の進め方やスケジュールなどを比較的自由に組むことができるのも関連したメリットではないでしょうか。
2. 専門業務をプロに委託できる
続いてのメリットは、専門業務をプロに委託できる点です。現状社内で足りていないスキルを持った人材を雇用し、そのスキルを活用して業務を進めたり、知識をシェアまたは教育することを業務内容とした場合、元々専門知識がなくてもプロの力で進めたり、またはプロに相当する人材を育てることも可能なのです。専門業務をプロに任せることで全体の効率アップにも繋がります。
3. 適時に契約を解除することができる
そして最後のメリットは、契約解除についてです。前述した通り、業務の遂行が目的であり、期間の制限も特に設けられていないため、目的を果たし次第、適宜契約を解除することができます。派遣などで期間が決まっている場合、例えば追加で頼みたい業務があったり、逆に残った時間で任せる業務が特にない場合などでも、期間内に契約解除をすることはできません。しかし、準委任契約ではそれが必要ないため、会社にとって適切な時期に契約の相談ができるのもメリットの1つではないでしょうか。
デメリット
ここまで準委任契約のメリットをご紹介してきましたが、もちろんメリットだけではありません。以下では、デメリットについても3つご紹介します。
1. 結果にかかわらず報酬を支払わなければならない
最初のデメリットは、成果物や仕事の完成度など、結果に関わらず報酬を支払わなければいけない点です。あくまでも業務の遂行のみが目的で、受任者は完成までは責任を負わないのが準委任契約です。そのため、いくら納得いかない完成度だったとしても、受任者に対しての報酬は支払う必要があります。
2. 仕事内容について指揮命令ができない
そして、仕事内容についての指揮命令ができないのも、準委任契約で雇用するデメリットの1つです。定められた業務を行うことのみが目的のため、スケジュールや作業場所、進め方など、受任者に対して指揮命令を行うことはできません。依頼側は、その点を先に留意しておく必要があります。
3. 長期的に専属で依頼できる人材ではない
そして準委任契約で雇用するデメリットの最後は、長期的な専属依頼が可能ではないことです。一定期間で、業務を遂行する契約のため、専属で仕事を依頼したい人材がきたとしても、準委任契約のまま専属契約はできません。もしそのような人材がきた場合は、本人と相談の上に契約の変更を行う必要があります。
このように、準委任契約にはメリット・デメリットがそれぞれ存在します。依頼・雇用をする場合も、受任者になる場合も、準委任契約で良いのか否か、しっかりと確認してから契約を行うようにしましょう。
契約書関連業務を効率化させるツール「DottedSign(ドットサイン)」をご紹介!
ここまで、準委任契約の概要や他の契約との違い、そしてメリット・デメリットについてご紹介しました。最後に、今回の内容に関連して、契約書関連の業務を効率化できるツール「DottedSign」をご紹介します。
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まとめ
いかがでしたか?本記事では、準委任契約について、概要やその他の契約との違い、メリット・デメリットを解説しました。そして最後に、関連ツールのDottedSignについてもご紹介しました。さまざまな働き方が浸透してきている現代、契約内容や、契約に使うツールなどを、企業や組織として、または個人としても、実際に知って試しておくと良いかもしれません。契約の種類や、今回ご紹介したDottedSignについて、興味がある方はぜひ詳細を調べてみてくださいね。