こんにちは、KDANライターの辰濱です。
近年ソーシャルメディアを利用したマーケティングが主流となり、特にインフルエンサーを起用した事例が年々増えています。
インフルエンサーとは、SNSにおいて社会的影響力を持つ個人のことを指し、特にフォロワー数が多い人のことをインフルエンサーと呼んだりもします。
近年は、フォロワーが少なくても特定の専門分野に精通したインフルエンサーを起用したり、企業アドバイザーとして一緒に協力を依頼したり、新たな起用方法も増えています。
日本国内のインフルエンサーマーケティングの市場規模は、毎年順調に拡大しており、今後もその需要がさらに拡大することが予想されています。
このような中で、インフルエンサーとの契約締結に関する適切な知識を持つことは、企業とインフルエンサー双方にとって不可欠です。
そこで今回は、インフルエンサーとの業務委託契約など、契約業務の効率化のプロであるKDANが、インフルエンサーと契約を結ぶ際の注意点や契約内容について解説します。
また最後に、すでに契約業務に従事されている方に向けて、より時間とコストを節約しながら効率的にインフルエンサーと契約できる方法についてもご紹介します!
目次
インフルエンサー契約の流れ
初めに、インフルエンサー契約はどのような流れで行われるのか簡単にご紹介します。
インフルエンサーの選定
インフルエンサーとの契約を始める際、まず自社の製品やサービスに適したインフルエンサーを見つける必要があります。
選定方法は大きく分けて以下の三つがあります。
- 自力でSNSで直接見つける方法
- 検索ツールやプラットフォームの利用
- 代理店を通じた選定(全プロセスを代理店に委託する)
選定時には、フォロワー数だけでなく、インフルエンサーの投稿内容や影響力、過去に炎上歴やステマ違反がないか、などの観点も大切です。
連絡・交渉
適切なインフルエンサーが決まったら、報酬や投稿内容の条件を直接、または代理店を通じて交渉します。
この段階は、インフルエンサー契約の成功において非常に重要で、将来的なトラブルの軽減および、より効果的なPR効果に繋がります。
契約書作成・締結
契約内容のすり合わせが終わり、お互いが納得した状態になったら、契約書の作成と締結に移ります。
この時、後々トラブルに発展しないように、双方の権利と責任についてお互いの認識を一致させることが重要です。
次の章では、実際に契約書の中に記載すべき内容について、詳しく解説します。
契約書に記載すべき内容
インフルエンサーとの契約書に記載すべき内容は、PR広告をするサービスの内容により異なりますが、トラブルを防ぐために、以下のような項目の記載は、最低限必要になります。
- 業務内容
- 支払い条件
- 契約期間
- 知的財産・秘密保持
- コンプライアンス(禁止事項)
契約書を作成する際には、これらの抜け漏れがないかをしっかり確認しましょう。
以下でそれぞれ一つ一つ詳しくご紹介していきます。
業務内容
基本情報(名前・署名・日付など)
契約に関与するインフルエンサーと企業の正式名称、両者の署名、そして契約書が法的に有効となる日付を記載します。
署名については、双方が契約内容に同意し、それに法的拘束力を持たせるための重要な要素です。
正式な署名があることで、契約書が正式な法的文書として機能し、将来的に生じ得るトラブル時に、その内容を証拠として利用することができます。これにより、契約の信頼性と強制力が保障されます。
成果物と目標
インフルエンサーに求める具体的な成果物(どのような投稿形式や媒体を利用するのかなど)および達成したい目標を記載します。
成果物や目標に関して認識のずれが生じたまま進めてしまうと「契約内容と違う」とトラブルに発展するケースがあります。
戦略を十分に練った上でこれらを決定し、契約書内になるべく詳細な仕様や品質基準を記載することが大切です。
キャンセルポリシー
キャンセルポリシーでは、予期せぬ事態や計画の変更が発生した場合の手続きを規定します。
キャンセルと認められる条件、およびキャンセルに伴う可能性のある費用負担などについて具体的な規則を設けることで、思わぬトラブル時のリスクを軽減することができます。
支払い条件
報酬
インフルエンサーに支払う報酬の計算方法や基準を詳細に記載しましょう。
報酬には以下のような形式があります。
- 固定報酬:投稿回数やフォロワー数
- 変動報酬:いいね数やエンゲージメント率
- 成果報酬:インスタグラマー経由で売れた金額の何%(アフィリエイト型)
最も一般的な方法が固定報酬で、各媒体のフォロワー数×フォロワー単価(1投稿あたり平均2〜4円)に基づいて計算されることが多いです。
この時に注意しなければならないのが、「xxx月からxxx日までの単価はxxx円」のように、期間と金額をセットで明記することです。
インフルエンサーの単価はフォロワー数の増減によって日々変動するため、契約書に期間を明記していないと、実際の依頼時に単価が変わっている恐れがあります。
以前筆者も、とあるインフルエンサーに2度目の依頼をした際に、1度目に依頼した際の2倍の金額に変わってしまい、予算的にそれ以上依頼できなくなる、というトラブルがありました。
金銭関係は特にトラブルが発生しやすいため、事前に双方で合意を取り、なるべく詳細に記載することが重要になります。
経費
契約において発生する可能性のある経費についても、誰が負担するのか、どのように支払うのかなどを明確にしておく必要があります。
例えば、撮影に必要な交通費や宿泊費をインフルエンサーが先に立て替え、後日精算されるかどうか、といったことも事前に取り決めて、契約書に記載しておく必要があります。
契約期間
契約期間(契約の開始日と終了日)を明確に設定し、また投稿のスケジュールや頻度なども、事前に具体的に取り決めておきます。
契約期間が不明確だと、実施直前の遅れや予定通りにPR活動ができないといった問題が生じるリスクを避けられません。
また、もし長期にわたる契約の場合は、契約更新のタイミングなども明記しておきましょう。
知的財産・秘密保持
知的財産権
インフルエンサーがPR投稿などのコンテンツを制作した場合、その知的財産権がどこに帰属するのかを明記します。
もしコンテンツの知的財産権がインフルエンサーに属する場合、二次利用できるのか、その場合の利用料はいくらか、なども記載しておきましょう。
競業避止義務
「競業避止義務」とは、契約者が競合他社の業務を請け負うことを避ける義務のことです。
競合に自社のノウハウや機密情報などが流出してしまう可能性があるため、一定期間のあいだ、競業避止義務を設けることがあります。
その場合には、競業を避けるべき期間や禁止行為も明記するようにしましょう。
守秘義務(秘密保持)
インフルエンサーは社内の内部情報を知る機会が多く、常に外部に発信する職業のため、いつも情報漏洩のリスクが伴います。
第三者に自社の大事な秘密情報が漏れてしまうリスクを減らすためにも、守秘義務(秘密保持)は必ず義務づけましょう。
契約書には、具体的な機密情報の範囲、および情報が第三者に漏洩した場合の対処法などを定義し、記載します。
コンプライアンス(禁止事項)
法令を遵守するためのコンプライアンスや禁止事項、および違反時の処罰方法についても具体的に記載します。
インフルエンサーによるPR広告は、拡散力があると同時に、炎上リスクも大きく、それによって、依頼元の企業の信用にまで影響を及ぼす恐れがあります。
また、虚偽や誇大表現などによる景品表示法や薬機法の抵触や、2023年に禁止されたステマ規制なども注意が必要です。
※ステマ(ステルスマーケティング)とは、消費者に宣伝と気づかれないように商品を宣伝したり、商品に関するクチコミを発信する行為のこと。
もしステマ規制に違反した場合、規制の対象となるのは、インフルエンサーではなく、商品・サービスを供給する事業者側になってしまうので、しっかり違反行為として明記しておきましょう。
以上、契約書に最低限記載すべき内容をご紹介しました。
これらの要素について十分な合意を形成した上で契約を締結することで、効果的かつ安全なPR広告を実現しましょう。
契約時の注意点
上記までの内容を踏まえ、インフルエンサーとの契約時にはどのようなことに注意する必要があるのでしょうか。
大きくは、契約内容をできるだけ詳細かつ明確に記述すること、炎上リスクや法的違反の防止策や法的遵守に関して明記すること、などが挙げられます。
これらのポイントに基づいて正確に契約を締結することで、将来的なリスクを軽減できるだけでなく、双方の合意に基づいて、より効果的な取引ができるようになります。
また、長期契約の場合には、企業とインフルエンサーとの良好な関係を長続きさせることにも繋がります。
インフルエンサーとの契約業務を効率化する方法:電子署名 DottedSign(ドットサイン)
ここまで契約の流れを解説しましたが、実際に今契約業務を行っている中小企業やスタートアップにとって、インフルエンサーとの契約手続きは時間やコスト面で、大きな負担になることがしばしばあります。
特にSNS上でのスピーディな対応が求められる中で、従来までの紙ベースの契約では、プロセスの遅れを避けられません。
これらの問題を解決したいとお考えの方に、おすすめしたいのが、電子署名サービス「DottedSign(ドットサイン)」です。
DottedSign(ドットサイン)は、クラウド上で契約業務を行えるサービスで、契約書の作成から署名、保管まで全てをデジタル化し、契約業務のコストや時間を大幅に削減させることができます。
また世界中にユーザーを抱えており、日本語・英語・中国語など多言語対応のため、海外のインフルエンサーと契約を結ぶ際にも、クラウド上で簡単に締結を完了できます。
実際に契約業務において効率化した事例を、以下でご紹介していますので、ご参考ください。
国際的に認められた法的有効性を持ち、紙の契約書と同様の効力があるため、セキュリティ面でも安心してご利用いただけます。
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