物流業がDXを今すぐ行うべき理由と、今後、物流DXに取り組む企業が行うべき対策について、事例やデータを用いて具体的にご紹介します。
こんにちは、Kdanライターの津山です。
2021年に政府が公表した調査によると、物流業界は数年内に配送需要に対して 20 万 人超の規模でトラックドライバーが不足するという結果が出ています。
実際に物流協会の労働問題のデータを見ると、1週間の就業時間が60時間を超える労働者の割合や、労災補償の件数は、物流を含む運輸業が圧倒的に多いことが判明しています。
しかし一方で、コロナ禍を経て電子商取引(EC)市場が一気に成長し、宅配便の取扱量は増え続けています!さらに日本人の高齢化が進み、日常の買い物など生活サービスにおいても物流の需要は右肩上がりです。
しかし、人手不足の状態では、せっかく増えた需要に対応できず、ビジネスチャンスを逃してしまう事態も起こりかねません!
そこで、物流業の救世主となり得るのがDX(デジタルトランスフォーメーション)です!
今回の記事では、物流業がDXを今すぐ行わないといけない理由、そしてこれからDXに取り組む物流企業におすすめの対策について、DXの事例やデータを用いて具体的にご紹介します!
目次
物流業がDXを今すぐ行わないといけない理由とは?
DXとは、簡単に言い換えると、デジタル技術の活用と、ビジネスプロセスや組織の変革を組み合わせて、業務効率化や経営体質の改善などを促すことを指します。
物流業界が今すぐDXに取り組まないといけない背景は、3つの理由により、近い将来、労働力不足による収益悪化やサービスの質の低下といった事態が起こるリスクがあるためです。それは以下の通りです:
- 2024年から必須になる労働時間規制
- 物流業の人材確保の難しさ
- EC市場の成長による配送量の急増
近年、物流業界を取り巻く労働環境の規制は厳しくなっています。例えば、2024年度からはトラックドライバーに時間外労働の規制(年960時間)が課されます。
しかし、トラックドライバーの 2020年度 求人倍率は1.94 倍で、全産業の2020 年度 1.01 倍に比べても競争が激しいため、人員の確保は容易ではありません。
その一方で、近年は電子商取引市場の成長から、配送ニーズが増え続けています。実際、2021年の宅配便等の取扱個数は約50億個で、10年前に比べてなんと150%も増加しました。このままでは、物流業を担う労働力が確実に不足することは明らかです。
つまり、DXを通じて業務効率化等の人手不足対策を怠った企業が2024年を迎えると、ビジネスチャンスを逃すだけでなく、配送遅延などサービスの提供に支障が出るリスクがあるのです!
物流業のDXではどのような取り組みをすべきか?
では続いて、物流企業がDXを推進するにあたり、どのような対策に取り組めばいいのかお伝えします。それは、人手不足対策に役立つ輸配送の効率改善や、ガソリン使用の抑制などコスト削減に直結するDXです。
実は物流業の労働生産性は決して高くなく、一つの業務に対して、多くの人手を必要としています。
そこで、人手を減らしても効率を維持するために効果的なDXが、特に労働生産性やコスト面の改善効果が大きいと言われる「輸配送の効率改善」です。具体的にはデジタルツールを活用した、コンテナの運用効率向上などが該当します。実際の事例は後ほど詳しく説明します。
また、人材不足と同時に物流業者を悩ませる燃料高騰に対しては、配送ルートを効率化しガソリン排出量を減らすなどのDXもお勧めです。
燃料使用を抑えるDXは同時に環境対策にもなり、投資家や消費者からの評価が得られやすいため、企業の将来的な成長にも繋がります。
企業の環境への取り組みがいかに注目されているかについては、こちらの記事でも詳しく説明しています!
物流DXで実際に成果を上げた会社の事例
では実際に、DXに取り組み、具体的な成果を上げた物流企業の事例を、輸配送の効率改善と、燃料代削減につながるDX、2つの目的別にご紹介します!
目的1、輸配送の効率改善につながる物流DX
株式会社シーエックスカーゴ
対策:物流容器在庫管理システムを導入し、複数拠点に散らばるパレットの入出荷情報をリアルタイムで一元管理できるようにしました。また、パレットに関する書類を電子化し、紙の管理業務を効率化しました。
結果:管理システムの統合により、パレットの使用時期と枚数がリアルタイムで管理可能になり、無駄なコストの削減と、在庫管理の負荷の軽減を実現しました。
山藤運送株式会社(エスエーグループ)
対策:トラック予約受付サービスを活用し、倉庫からの出荷スケジュールが事前に可視化できるようにしました。
結果:これまで数十台の待機車両が待機していた積荷待ちの問題が解決し、ドライバーの配送効率が改善しました。また倉庫側も、荷物整理が容易になったことで、倉庫の保管効率の30%改善や、1カ月あたり3営業日分の工数の削減を実現しました。
目的2、燃料代削減につながる物流DX
株式会社スーパーレックス
対策:自動配車クラウドサービスを導入し、新人など、土地勘や経験がなくてもベテランと同様に素早く、効率よく配車ができるようにしました。
結果:従来、配送店舗の調整などで2日かかっていた配車作業が、誰でも数時間で行えるようになり業務効率が改善しました。 また、AIが事前に登録した積載量などを見て最適化した配送ルートを提案してくれるため、燃料代や人件費の抑制につながりました。
(以上参考:国土交通省 物流DX導入事例、MOVOの導入事例)
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いかがでしたか?今回の記事で、物流業に携わる皆様にもDXを進めるイメージを少し持っていただけたと思います。
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