みなさんこんにちは、Kdanライターの津山です。
今回は膨大な量の人事書類の整理に苦しむ方向けに最新の人事書類の整理についてご紹介します。
政府の脱ハンコ宣言を受けて現在積極的に電子化に向けた法律改正が進んでいますが、特に中小企業の人事では、書類整理をいまだに紙で行っておられる方も多いと思います。
そこで今回は、人事関連書類の整理についてご説明します。これを読めば整理効率が上がるだけでなく、近い将来に必ず必要になる電子化のポイントもわかります。
人事関連の書類整理で悩む中小企業の担当者、責任者の方は是非読んで業務効率をアップさせてください!
目次
人事部が扱う主な書類と保管期間
まず企業の人事部が取り扱う膨大な書類についての種類と保管期間について以下に分類します。こちらを見ていただければ、人事関連の書類が膨大であること、そして基本的に保管期間が2〜5年だと見てわかります。
保管期間 | 書類の種類 | 起算日 | 条文 |
5年 | 健康診断個人票 | 作成日 | 安衛則51条 |
4年 | 雇用保険の被保険者に関する書類(雇用保険被保険者資格取得確認通知書など) | その完結の日(退職・解雇・死亡の日) | 雇保則143条 |
3年 | 労働者名簿 | 労働者の退職・解雇・死亡の日 | 労基法109条、則56条 |
雇入れ又は退職に関する書類(雇用契約書、解雇通知など) | 労働者の退職・解雇・死亡の日 | 労基法109条、則56条 | |
賃金台帳 | 最後の記入日(書類ごと) | 労基法109条、則56条 | |
タイムカード、残業命令書な労働時間の記録に関する重要な書類 | 最後の記入日(書類ごと) | 労基法109条、則56条 | |
災害補償に関する書類 | 災害補償の終わった日 | 労基法109条、則56条 | |
労災保険に関する書類(請求書類) | 完結の日 | 労災法則51条 | |
労働保険の徴収・納付等の関係書類 | 完結の日 | 徴収法則72条 | |
安全、衛生委員会議事録 | 作成日 | 安衛則23条 | |
派遣元管理台帳 | 契約完了の日 | 派遣法37条、派遣法42条 | |
2年 | 健康保険・厚生年金保険に関する書類 | その完結の日(退職・解雇・死亡の日) | 健保則34条、厚年則28条 |
雇用保険に関する書類 | その完結の日(退職・解雇・死亡の日) | 雇保則143条 |
参考URL:人事労務関係書類保存期間一覧
人事書類の整理で気をつけたい2つのポイント
人事では多くの書類を扱うため正しく整理しないと書類の紛失や更新忘れが起きます。そこで、人事書類の整理をする際に気をつけたほうがいい点を2つご紹介します。
保管の方法を工夫する
人事部では膨大な紙ファイルを保管することになります。そのため、保管時は以下の5つのポイントに気をつけましょう。
<保管時のポイント>
- ファイルにはラベルに保管期間と文書名を表示する
- 書類の保管期間年別に保管場所をまとめる
- 書類は人目につかず、鍵がかかる場所に保管する
- 閲覧者を限定して、リスク管理を徹底する(会社でルール化を徹底)
- 紙ファイルの場合は、コピーを作成しておく(紛失、破損を防ぐため)
保管期間が過ぎた書類の処分を速やかに行う
個人情報等の漏えいを防ぐため、保管期間が過ぎた人事書類は速やかに処分します。
企業が扱う書類には、個人情報や機密情報が記載されているため、シュレッダーの使用や専門業者に依頼して溶解するなどの方法で、適切に廃棄処理を行う必要があります。また、電子データの場合には、第三者が取り出せないよう初期化などを徹底してください。
特にマイナンバーが記載された書類(給与所得者の扶養控除等(異動)申告書や、雇用保険被保険者資格取得届等)は保管期間経過後できるだけ速やかに廃棄する必要があります。
知らないと怖い人事関連書類の法律改正
人事の書類は近年電子化を推奨する法律改正がどんどん進んでいます。この内容をよく理解しないと、電子化の対応が遅れ法律違反にもなりかねません。
そこでこの章では、人事書類電子化関連の関する法律改正をまとめます。
労働条件通知書の電子化
2019年4月1日に施行された労働基準法施行規則により、従来紙交付が基本だった労働条件通知書を、労働者が希望した場合に電子交付することが認められるようになりました。
労働条件通知書とは企業が新入社員を雇う時に交付する書類で、労働期間や労働時間、賃金や休日などの基準が記載されたものです。
電子交付の方法は具体的には以下の通りです。
① FAX
② メール
③ SNSメッセージ 等
※出力して書面を作成できるものに限ります
労働条件通知に関して、現在は希望者のみ電子化することが可能ですが、今後企業の利用が進めば電子交付で統一されるかもしれません。
社労保険・労働保険の電子申請義務化
2020年4⽉から以下の条件に当てはまる特定の法人について社労保険・労働保険の電子申請が義務化されました。
- 資本⾦、出資⾦⼜は銀⾏等保有株式取得機構に納付する拠出⾦の額が1億円を超える法人
- 相互会社(保険業法)
- 投資法人(投資信託及び投資法⼈に関する法律)
- 特定目的会社(資産の流動化に関する法律)
現在、中小企業で対象になる企業は多くないものの、政府は脱ハンコ宣言を行うなど電子化に積極的です。将来、全ての企業を対象にした電子化推進も十分にあり得ます。
<電子申請の義務化対象となる書類>
社会保険の種類 | 届出の種類 |
健康保険/厚生年金保険 | 被保険者報酬月額算定基礎届 |
被保険者報酬月額変更届 | |
被保険者賞与支払届 | |
労働保険 | 継続事業(一括有期事業を含む。)を⾏う事業主が提出する以下の申告書 ・年度更新に関する申告書(概算保険料申告書、確定保険料申告書、一般拠出⾦申告書) ・増加概算保険料申告書 |
雇用保険 | 被保険者資格取得届 |
被保険者資格喪失届 | |
被保険者転勤届 | |
⾼年齢雇用継続給付支給申請 | |
育児休業給付支給申請 |
参考:2020年4⽉から特定の法人について 電子申請が義務化されます。
電子取引で発生した領収書の電子保存が義務化
2022年1月の改正により、電子領収書の事前申請ルールなどが大幅に緩和されました。しかし同時に、電子取引で発生した領収書の電子保存が義務となりました。
つまり今後、メールやデータで送付された領収書は、企業の規模に関わらず、全て電子保管が義務付けられ、紙印刷による保管ができなくなります。(2023年12月31日までの猶予期間あり)
中小企業は人事総務が一緒の部署になっているケースもよく見られます。インターネットで備品の発注を行うなども当然電子取引になりますので、今から電子化への対応が必要になる企業は少なくないはずです。
事前申請制度の廃止など電子帳簿保存法の変更点、そして電子化を行うメリットについては、以前紹介したこちらのブログをご参考ください。
これらの3つの改正を踏まえると、今後ますます人事関連書類の電子化の流れは加速することが予測されます。
今後最もオススメの人事書類の整理方法
今回ご紹介した通り、ここ3年で人事関連の書類の電子化は着々と進んでいます。そこで今一番オススメしたい人事書類の整理方法は思い切って『電子化』することです。
そこで最後に、人事書類の管理を『電子化』するメリットを、すでに人事書類をほぼ電子化しているKdanの目線からお伝えします。
<人事書類の電子化のメリット>
- 書類の管理スペース削減や印刷代・保管代・印紙代等のコスト削減になる
- 書類を全てオンラインで管理できるため業務効率化につながる
- 書類の検索や廃棄が簡単に速やかに行える
電子化することで書類の印刷コストや倉庫代が不要になるだけでなく、全てがオンライン上で管理できるため人事のテレワークも進み業務効率が改善します。
また更新期限等も管理できるので、保管期限が過ぎたかどうかを一目で管理することができます。退職者に関する書類を、大量のファイルの中からあちこち探し出す必要も無くなります。
実際にKdanでは、既に人事部の異動通知や、成績評価、人員計画、入社通知書などを電子化しています。これらは電子契約ツール『DottedSign』を使ってオンライン上で署名し、すぐに会社のサーバーにアップロードします。
このように人事書類を電子化することで、多くの人事の悩みである古い書類の並べ替えやラベル作成、穴あけ作業など、煩わしい仕事は一切不要になるのです。
また人事では今後、社会保険や労働保険以外の書類でも電子化の波が押し寄せてくる可能性が高いでしょう。だからこそ今電子化を進めれば、業務効率化と将来の法律対応が同時に実現できるのです。
電子化に苦手意識がある人も多いと思いますが、そんな時こそKdanのDottedSignを試してください。現在利用している人事関連書類のテンプレートを直接アップロードして、電子化することが可能です。これならリソースが限られる中小企業も安心です。
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